書籍情報
執筆者
評伝=福迫弥麻
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荒井良二 絵本作家
池㞍豪介 世田谷美術館学芸員
坂本顕子 熊本市現代美術館学芸員
鳥羽都子 岐阜県美術館学芸員
橋本善八 世田谷美術館副館長
保坂健二朗 滋賀県立美術館ディレクター
装幀・
レイアウト
櫻井久
中川あゆみ(櫻井事務所)
発売日
2023年10月27日
初版第一刷発行
定価
3,000円+税
印刷・製本所
株式会社東京印書館
©️Mia Fukusako
ISBN978-4-9913259-0-8 C0071
詳細
シスコは、美術教育を受けていません。大正2年生まれの熊本に住む主婦でした。
その主婦が、ある日突然、画家の長男が描いたキャンパスの絵の具を削ぎ落とし、100号の油絵を完成させたのです。53歳の時でした。
それから91歳になるまで、実にたくさんの絵を描きました。
とにかく、シスコの絵は楽しいのです。
本書は、シスコの孫の福迫弥麻さんが執筆した評伝「私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい」を収録。評伝に登場する作品を全編に散りばめました。
遠近法は習っていないシスコの絵は、近くのものも遠くのものも同じ大きさ。
幼児の絵がみんなそうであるように、ヒトは皆、正面を向いています。
とにかく自由。ツッコミどころ満載。そしてそこがシスコの魅力です。
シスコの絵は、どこを切り取っても絵になります。だからトリミングしてもシスコの絵。
既存の画集と一線を画す、めくるめくシスコの世界に浸れるポップでビビッドな"評伝画集"です。
塔本シスコ評伝
「私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい」 福迫弥麻
第1章 夢のサンフランシスコ
生まれてすぐ養女に/最初の記憶/シスコの家族 東松崎での少女時代
「これからは自分の思いのままに行く」/働き詰めの十代
第2章 春日のおてもやん
シスコの嫁入り/絵画への憧れ/戦争の足音/父との永別
第3章 戦争はおとろしか
長男賢一を出産/宇土に疎開/グラマン戦闘機との遭遇/終戦
第4章 シスコ・ブギウギ
末蔵、キャンプウッドで働く/仕出し弁当屋で再出発
人生の応援歌/白川大水害
第5章 末蔵との別れ
花岡山の仏舎利塔/秋の虫を愛でる/初めての写生会/「絵の具がのさった」
最後の便り
第6章 脳溢血からの生還
シスコ倒れる/石彫《シスコの女神》の誕生/賢一、画家の道へ
第7章 私も大きな絵ば描きたかった
五三歳の衝動/初めての百号、《秋の庭》を描く/洋画家 塔本シスコ誕生
第8章 アトリエは団地の四畳半
私にはこがん見ゆったい/大阪で賢一夫婦と同居/四畳半のアトリエ
シスコ、ダンボールに描く/シスコ、公開制作をする
第9章 波のりこえて
阪神・淡路大震災/故郷熊本での展覧会/世田谷美術館の買い上げ
《もらったラン、もらったシクラメン》に込めたこと/娘和子との永別
悲しみから救った《枚方総合体育館前のコスモス畑》
第10章 私は死ぬるまで絵ば描きましょうたい
あふれだす創作意欲/老いと向き合う/ふるさとの熊本を懐かしんで
孫からの花束を描いた《90才のプレゼント》/シスコの月